歌うときの呼吸を意識したことがありますか?
胸式呼吸、腹式呼吸、といった言葉を聞いたことがありますか?胸式は、起きているときに、あまり意識することなく普通に使っている呼吸法で、寝ているときは自然に腹式呼吸になっている、といいます。
胸式は息の吸い方が浅いので、歌うときには呼吸が不安定になりやすく、途中で息が足りなくなったり、高音が出にくい、コントロールしずらい、という面があります。
胸式でも、腹式でも、吸った空気はいずれも肺に入るので腹式呼吸、といってもお腹に空気が入るわけではありません。胸式は体操のときの深呼吸のように息を吸うときに胸や肩があがるようなイメージですが、腹式は横隔膜を押し下げて、肺の下の方にも空気を入れていきますので、お腹や背中のほうまで膨らんでいくようなイメージになります。
腹式呼吸のメリット
腹式呼吸を使うと、たくさんの息を出し入れできるので呼吸のコントロールが安定し、お腹の支えも出来るので声量がアップする、という嬉しい効果があります。また、横隔膜周りのインナーマッスルが強化できるので、姿勢が改善されて体幹が安定し、歌うための体作りにもメリットがあります。歌を歌う方は、ぜひとも腹式呼吸をマスターしたいですね!
腹式呼吸トレーニングにトライ!
①まず、足を腰幅に開いて立ちましょう。猫背にならないよう少し胸を張った姿勢で、お尻をキュッと締めます。
②お腹に手をあて、最初に軽く息を吐いたら、鼻からゆっくりと息を吸っていきます。(4〜8秒)そのとき、おへその下あたりを意識しながらふくらませます。鼻から吸うとき、花の香りや、美味しそうな匂いをかぐようなつもりで、ゆっくり吸ってください。
③口からゆっくりと、吸ったときの倍の長さをかけて息を吐いていきます。(8〜16秒)お腹から空気が出て行って、お腹が風船がしぼむように縮んでいきます。
まずはたったこれだけ!!1日に3分でも5分でもいいので、時間を見つけたら繰り返し腹式呼吸にチャレンジして身体に覚えこませてみてください。
肩があがるような浅い呼吸にならないよう、横隔膜を下に下げて、お腹のほうへ空気を入れるイメージでゆっくりゆっくり、体が馴染んでくるまで繰り返し呼吸を続けてみてください。だんだん慣れてきたら、息を吸ったときに、胴周り全体、背中のほうまでふくらむように出来るようになっていきます。
トレーニングのバリエーション
上記を応用して、こんなことにもトライしてみてください。呼吸のスピードを変えて練習してみます。
①ゆっくり吸って、一旦息を軽く止めたら、ゆっくり吐く(上記とほぼ一緒です!)
②すばやく吸って、一旦息を軽く止めたら、すばやく吐く
③ゆっくり吸って、一旦息を軽く止めたら、すばやく吐く
④すばやく吸って、一旦息を軽く止めたら、ゆっくり吐く
日常生活に腹式呼吸トレーニングを取り入れる
たとえば
●駅まで歩く道などで、歩くテンポに合わせて呼吸してみる
●電車に乗っているとき、電車の振動のテンポに合わせて呼吸してみる
●駅のホームで電車を待っているときなどに、呼吸法をやってみる
工夫すれば忙しい日常の中でも、毎日練習することができます。歌う前のウォーミングアップにもなりますし、深い呼吸で全身リラックスして気持ちも安定します。そして安定した呼吸ができるようになれば、声量UPにつながりますので、一石三鳥!?
ぜひ日常に腹式呼吸トレーニングを取り入れてみてください!!
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