日頃から、人に声をかけたのに気付いてもらえなかったり、聞き返されることが多かったり、と声が小さい、聞き取ってもらいにくい、といった悩みのある方、歌を歌うときの声量をあげたいと思っている方へのトレーニング方法その2です。
響きのある声を目指そう
前回は「呼吸」のお話をしましたが(「声が通らなくて悩んでいる方へ、これを知れば聞き取りやすく通る声になる!」)、
同じように歌うときの正しい体の使い方として、声を体の内側に響かせて共鳴させることで
よく通る声、響きのよい声
を実現させることができます。
しゃべり声と同じ質感のままの声、つまりしゃべっているときと変わらぬ声の出し方をしている声=「のど声」は、頑張って声を出している割には遠くの人には聞こえなかったり、カラオケの音源にかき消されてしまったりします。それは、ただ、張り上げて大きな声を出しているだけで、喉をしぼってしまっていて、「響いていない声」だからです。
声を響かせるための正しい体の使い方
●まずはしっかり姿勢を作るところから。
猫背だったり、首が前に出ているような姿勢だと、肝心の喉や口をうまく大きく開くことができません。空気の通り道が狭いと、声は小さくなってしまいます。
腰から下はしっかり床を押すようにどっしりと立ち、両足の親指の付け根あたりに重心をおきます。上半身は脱力しリラックスしていることが大事です。
●口をしっかり開いて、言葉をはっきり発音し、声を前に出すイメージを持つようにしましょう。
あまり口を開けずにモゴモゴ言っているだけだと、声は口の中だけにとどまり、響きません。自分で思っている以上に口を動かさずに歌っているので、鏡をチェックしてみるといいでしょう。歌手が歌っている映像を見ると、大きく口を開けて気持ちよさそうに歌っています。自分と比較してみるとわかりやすいと思います。
共鳴を意識したトレーニング方法
声を体に響かせる箇所は、鼻、口の中、口の奥、胸、等々たくさんありますが、ここでは簡単に体に響かせている感覚をつかむ、体感するトレーニングです。簡単ですが、奥の深いトレーニングなので、楽しみながら試してみてください。
●「ハミング」で響きを確認してみましょう。
「ハミング」とは、ふんふん、と言葉を出さずにメロディを歌う鼻歌のような音です。まず唇は閉じた状態で口の中だけ大きく開きます。その状態で「ん~~」と声を出してみてください。唇にビリビリと響いてしびれるような感触があればハミング成功です。そのとき、小鼻~鼻の付け根のあたりを指で触ってみてください、振動が伝わってくるはずです。「ん~~」とハミングしたまま、途中から口を開けて「ん~~~ま~~~」と声を出してみましょう。ハミングから「ま」の発声に変わっても、鼻に響きが残っている(鼻腔に共鳴している)のを感じられるでしょうか。口を開いて発声したとたん、ビリビリした振動がなくなってしまうようなら、上あごや鼻のあたりに声を響かせるように意識を置きながら試してみてください。
ほかにも、低音は胸に響きやすく、「い」や「う」の母音は首の後ろに響きやすい、など体のいろいろな部分に共鳴させることができます。響き方を増やせば音量もあがり、声に広がりが生まれます。
ほかにも、「胸に響かせるコツ」や「口の中に響かせるコツ」も合わせてお読みいただき、「よく響く声」を目指しましょう!