歌うことはスポーツとよく似ている
スポーツや踊りにも基本のフォームがあるように、歌を歌うときにも基本の姿勢があります。また、歌うときは口先だけで歌うのではなく、体のいろんな部分の筋肉をバランスよく使っています。筋肉を使う、と言っても、力んでしまって変なところに力が入っていたりすると、よいパフォーマンスは出来ず、ほどよくリラックスして歌うと伸びやかな良い声が出ます。歌うことはスポーツとよく似ています。
声は体のいろいろなところ(のど、口の中、鼻、胸、頭蓋骨など体の空洞部分)に共鳴させて響きを作っていきます。体全体が一つの楽器のようなものです。
まさに全身が楽器
楽器はメンテナンスがとても大事であることと同じように、ボーカリストにとっての楽器である「体」をしっかり作ることはとても大事です。まずは自分の体と向き合って、体をどのように使って呼吸しているか、どのように声を出しているのかを意識してみましょう。声帯も横隔膜も筋肉。歌うには顔の筋肉も重要です。また呼吸をコントロールするにはお腹や背中、腰回りのインナーマッスル(いわゆるお腹の支え)、胸部・背中・腰といった骨格からの支えも必要です。まさに、全身が楽器!
猫背やポッコリお腹になっていませんか?
仕事などが忙しく運動不足になっていたり、スマホやパソコンを見ることが多くなったりしていませんか?スマホやパソコンは同じ姿勢を長く続けてしまい、姿勢が悪くなってしまいます。いわゆる猫背やお腹ポッコリ姿勢です。姿勢が悪いと、体をまっすぐに保つ筋力が働かないので筋力がどんどん衰えます(悪いことに首コリ肩コリの原因にもなります)また猫背では呼吸も浅くなってしまい全身に新鮮な血流が届きにくくなってしまいます。歌は姿勢がとても大事です。日頃から、姿勢を意識するだけでもインナーマッスルは鍛えられます。よく、バレエやダンスをしている人は姿勢がいいので一目でわかりますよね?でも習っている人すべてが美しい姿勢だ、というわけでもないと思いませんか?あれは、バレエをしているから姿勢がいいのではなく、その人が日頃からバレエのために「姿勢を意識しているから」インナーマッスルが鍛えられ、ダンス以外の日常でも姿勢を保つことができるようになった、と考えられます。
歌うときの正しい姿勢は
1)両足は腰幅くらいに広げて立つ。
2)胸をお日様に向けるイメージであばらを持ち上げて背筋を伸ばす。頭のてっぺんが上からヒモで引っ張られているような意識で首をスッと伸ばす。(お腹を出したり、反り腰にならないよう注意。お尻は締めている)
3)両腕は脇に自然と垂らす(力を入れない)わかりにくければ一度両肩をグッと引き上げたあとゆっくり肩を後ろに回してそのまま自然に降ろした場所(不自然に肩や腕が後ろに行きすぎないよう注意)
4)重心は足の親指の付け根に軽くかけるとよい。
5)まっすぐ正面を見る
(全体的にはリラックスしている状態であることが重要です)
まず日常生活でできることから
スポーツで、準備運動なしにいきなり運動を始めたり試合をする人はいません。怪我や故障の原因になってしまいます。同じように、歌うときも、しっかりと準備運動をしましょう。まずは日頃から姿勢を意識し、筋力を保つためにラジオ体操やストレッチなどの軽い運動を心がけるといいですよ!そのうえで、さまざまなボイストレーニングで、さらに自由に豊かな声を実現できる体作りをしていきましょう!
歌で使う筋肉を鍛える方法も別のページで書いてますので、よかったら見てくださいね!